1.はじめに
2.仮説1:日本酒を飲みたくなる官能的刺激のある場が少なくなった。
3.仮説2:日本酒の楽しみ方の知識、経験がない。
4.この取り組みについて
5.今後に向けて
1.はじめに
日本酒を謳った鴨川月見酒という企画しておきながら言うもなんですが、私は普段からあまり日本酒を飲みません。でも、お酒が飲めないわけでないし、日本酒が嫌いなわけでもありません。でも、普段は飲まないですが、祇園や先斗町などのいい雰囲気の料亭や割烹などに行くと「やっぱりここは日本酒を飲んどかないと」と思って日本酒を頼みます。
日本酒の低迷が叫ばれ続けている中で、この企画は普段から日本酒を飲む日本酒好きの人のためではなく、こんな自分みたいな人のためにつくった企画です。(もちろん結果的に日本酒が好きな人も楽しんでもらえる企画ではあると思いますが。) それによって私を含めて日本酒を少しだけでも嗜む人が増えればいいなと思っています。
この企画をたてるにあたって、自分を振り返りふたつの仮説を立ててみました。あくまでも私見でデータなどの何の根拠もないので異論がある人もいるでしょうが、そこは大目に見てください。
2.仮説1:日本酒を飲みたくなる官能的刺激のある場が少なくなった。
そもそも、お酒みたいな嗜好品は多くの人は舌だけで味わっているのではないと思います。ワインでいえば、色・香り・グラスの形状・持った感触・ネーミング・歴史などの薀蓄など五感を通じて官能的に堪能しているからこそ魅力的なのです。(味が単純に好きな人ももちろんいるでしょうが。)
普段ワインを嫌いではないけどあまり飲まない人でもフランスに行ったらワインを飲み、ビールをあまり飲まない人でもドイツなどに行くとビールを飲んだりすることが多いように思います。人はそうした環境に入ると五感を官能的に刺激され、そこの雰囲気を味わうのにより適したお酒を本能的に選ぶのだと思います。(例えば居酒屋ではいいワインを飲もうとは思わないでしょうし、逆にビールや焼酎を飲みたくなる人が多いと思います。)そういう意味で、日本には日本酒を飲みたい気分になれる場が減ってきているから日本酒を飲む人が減っているのではないかと思うのです。
逆に言えば同様に自分がお酒を飲みたくなる場、つまり「ここはやっぱり日本酒を飲みたい。」と思える場をつくり、そしてそこでの良質な原体験を持つ人が増えれば、日本酒をもう少し愉しむ人が増えていくのではないかと思い、「日本酒百景酔暦」と称して取り組みをはじめることにいたしました。
3.仮説2:日本酒の楽しみ方の知識、経験がない。
更にもうひとつ、飲む人が増えない問題があると思っています。それはいざ日本酒を飲みたいと思ったとしても、たくさんある銘柄からどれを飲んだらよいのかがわからないということです。ワインや洋酒であれば、ソムリエやバーのマスターなどが教えてくれ、単純に肉なら赤、魚なら白といった素人なりにとりあえずの選ぶ基準があります。しかし、日本酒にはそういった判断基準もなければ、教わる機会もなければ教えてくれる人もなかなかいません。本来、そうした教わる仕組みというのは、料理店、料理人が担うところが大きいと思います。酒販店でも試飲をさせてもらいながら教えてもらえますが、やはりお酒は料理との食べ合わせの中でのほうがよりその奥深さを含めて学ぶことができると思います。
そのため、この企画では基本として料理ごとにそれに合う料理人からのオススメの銘柄を一緒にだしてもらい、味わってもらえるようにしました。それにより、どういった料理にどんなお酒を飲むのが美味しく飲めるのかということを学べる機会になればと思っています。同じ銘柄でもお店ごとに合わせ方が全然違うかもしれません。それもまたその銘柄の奥深さや新たな発見があってより魅力を深めることになると思います。
4.この取り組みについて
これらの仮説にもとづき、この取り組みのコンセプトは「日本で一番、日本酒を飲みたくなる舞台をつくる」ということです。少し大層ではありますが、そもそも日本人はいにしえから満月を見れば月見酒を飲み、雪が積もれば雪見酒と称して日本酒を楽しんでいたように、五感を官能的に刺激しながら飲む魅力に酔いしれていたのだと思います。
同様に日本には日本酒が飲みたくなるような佇まいのある季節に応じた場所というのがあると思います。そうした場所に美味しい料理ともに地酒を用意することで、普段は飲めるけども飲まない方、日本酒を元々好きな方も含めて、改めて日本酒を飲みたいと思ってもらえる機会になればと思っています。
5.今後に向けて
そして、この「日本酒百景酔暦」の取り組みを広げていくためにも、それに相応しいと思う場所や、ここでなら飲んでみたい、この銘柄が美味しかったなどのご意見などもいただければこれからの活動に活かしていきたいので、是非ご意見、感想もお願いいたします。
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